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Posted on 2016-10-17
齋藤茂太エアラインバッグコレクション

 

齋藤茂太エアラインバッグ・コレクション山藤章二画伯による齋藤茂太像

航空会社のロゴマークが描かれたエアラインバッグは、機内持ち込み用の小型の旅行バッグです。フライトバッグという呼び名が一般的ですが、正式にはオーバーナイトバッグといいます。国際線での機中泊の際に、必要な身の回りの品々を入れるためのバッグという意味です。
もともとエアラインバッグは、1950~60年代に航空会社が、ファーストクラスの乗客などの顧客にプレゼントしたのが起源ですから、希少価値のあるものでした。1964年に日本人の海外渡航が自由化されましたが、当時はまだ誰もが海外旅行へ行ける時代ではありませんでしたので、国際線の乗客に提供されたエアラインバッグは、憧れの的となりました。エアラインバッグを肩にかけ、銀座の街を歩くことがステータスだった時期もあったほどです。
後には一般に市販されたものもあって、一時は人気を集めましたが、1980年代を最後にエアラインバッグは廃れてしまいました。しかし飛行機マニアを中心にその人気は根強く、今でもレプリカが販売されているものもあります。
そのエアラインバッグのコレクターとして有名なのが、故・齋藤茂太先生です。精神科医、エッセイストとして活躍された齋藤先生は、飛行機をはじめとする乗り物マニアとしても知られ、様々な乗り物関係のアイテムをコレクションされました。特にエアラインバッグは、齋藤先生ご自身が『世界的コレクター』と自称されるほどでした。そのコレクター魂は凄まじく、あの手この手でコレクションされたようです。ご著書にはその奮闘ぶりが描かれていますし、直接お聞きしたエピソードもたくさんあります。お金を出せば買えるとは限らないものだけに、エアラインバッグ収集が目的の旅行も少なくなかったそうですし、世界各地の航空会社の本社に乗り込んでの交渉もあったようです。
最終的には400個近い数の世界の航空会社のエアラインバッグを、齋藤先生は収集されました。半世紀におよぶコレクションの間に、残念ながら散逸したものや、経年劣化のためやむなく廃棄されたものも少なくありませんが、ほとんどが遺品として残されました。齋藤先生が私たちの会の創立会長でもあったご縁で、現在は私たちHASMが「齋藤茂太エアラインバッグ・コレクション」を、貴重な歴史的資料として保管させていただいています。
そのコレクションの一部を、ここに公開いたします。齋藤先生のコレクションをご覧いただき、エアラインバッグがステータスだった時代の空の旅に、想いを馳せていただければ幸いです。

NPO 羽田航空宇宙科学館推進会議
理事長 中村 浩美

 

 

 

在りし日の齋藤茂太会長と中村浩美現理事長

 

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